2012年 09月 27日
大切な人 |
数年前、始まったばかりの朝市のチラシを見て、久しぶりに抑えられないふつふつとしたものを感じて、朝早くに自転車を走らせて海へ向かって走りました。
当時まだ3、4店舗くらいだったでしょうか…八百屋さんと乾物屋さん…
市場というにはまだまだ…でも、小さな芽がでたような、そんなワクワク感と期待感を感じました。
当時ユナはまだ生後数カ月。
周りに反対されながらも、週2回の小さな市場へゆなを背負って、作ったお菓子をもっていくことになりました。
今思えば、そうやって、人とつながっていくことで、新しい土地にゆっくり根をおろしていきたかったのかもしれません。
当時、この朝市を立ち上げた代表の彼。
「西山さん、僕はね、しまなみ海道をつなぐような市場、ここを楽市楽座のようにしたいんだ!」
「いまはね、こんなだけど、見てて、いつかこの上屋にズラーっとお店が並ぶからね。」
「うちの市場はね、他と違って若い人が多いでしょ。これはすごい力だよね。若い人で作る市場にしよう!僕はいつでも引退するよ。」
「ずっと思ってたんだけど、100円のモーニング、市場食堂をここでやってはどうだろう?今までにないでしょ?」
そんな彼の夢の話を聞くのが好きでした。
お客さんも少なくて、お店も少ない…でも出店してる方はみんなが仲良く、みんなが彼の夢をかなえたいと思ってました。それはきっと彼の人柄。
そんな彼が、癌をわずらいました。
驚くくらい痩せて、顔色も悪くて、でも、いつも朝1番に彼の姿がありました。
「おはよう!」
笑顔で、今日はまだ楽なんだと。
でも、入退院を繰り返し、体力も限界になり、この市場もここで終わりなのかな…という時、
「西山さん、やってくれないかな。」
彼が帰ってくるまでの間だけとお約束しました。
当時ユナがまだ小さくてお母さんべったりで、子育てサロンの代表もやっていて、とてもお力になれる立場ではなかったけれど…でも、この市場が続いていてほしい。たとえ今と形が変わってしまっても続いてほしい。そんな思いで引き受けました。
そんな彼が帰らない人となったと昨日聞きました。
昨日からずっと彼のことを思ってます。人の良い彼の奥さんのことを考えてます。
ゆながいつもお店でヤクルトをもらってました。冷蔵庫の位置まで覚えていたゆなに笑顔で「いいよいいよ」と手渡してくれました。
「今英語勉強しててね、奥さんとヨーロッパ旅行へいくんだ」
優しい旦那さんでした。
どんな時でも、私たちの意見に耳を傾けてくれました。
「やってみよう」
と賛成してくれました。
失敗したって、責めたり、怒ったり、なじったり、責任をおしつけたりしない人でした。
どんなに窮地に立っていても、決して弱音を言わない、自分のやろうと希望をもったことを貫く強さがありました。彼こそ市場のリーダーでした。
「早く帰ってきてください。出店してください。」
そんな言葉のなげかけに「無理かもしれない。もう、おまかせしたい。」
という細い声を聞いたときは悲しかった。でも、病気の時は誰だってそうなるんだと回復を願ってました。
今はただ、彼を思い出して、悲しい。もっと会いにいけばよかった。
もっとたくさん楽しい話をすればよかった。
もっと何かができたはずだ。
なんだかおいてきぼりされたように、ぽっかり穴があいてしまいました。
彼の好きだったジョンレノンのイマジンの音と市場で彼が着ていたグリーンのポロシャツ、紺色の帽子を何度も思い出します。
当時まだ3、4店舗くらいだったでしょうか…八百屋さんと乾物屋さん…
市場というにはまだまだ…でも、小さな芽がでたような、そんなワクワク感と期待感を感じました。
当時ユナはまだ生後数カ月。
周りに反対されながらも、週2回の小さな市場へゆなを背負って、作ったお菓子をもっていくことになりました。
今思えば、そうやって、人とつながっていくことで、新しい土地にゆっくり根をおろしていきたかったのかもしれません。
当時、この朝市を立ち上げた代表の彼。
「西山さん、僕はね、しまなみ海道をつなぐような市場、ここを楽市楽座のようにしたいんだ!」
「いまはね、こんなだけど、見てて、いつかこの上屋にズラーっとお店が並ぶからね。」
「うちの市場はね、他と違って若い人が多いでしょ。これはすごい力だよね。若い人で作る市場にしよう!僕はいつでも引退するよ。」
「ずっと思ってたんだけど、100円のモーニング、市場食堂をここでやってはどうだろう?今までにないでしょ?」
そんな彼の夢の話を聞くのが好きでした。
お客さんも少なくて、お店も少ない…でも出店してる方はみんなが仲良く、みんなが彼の夢をかなえたいと思ってました。それはきっと彼の人柄。
そんな彼が、癌をわずらいました。
驚くくらい痩せて、顔色も悪くて、でも、いつも朝1番に彼の姿がありました。
「おはよう!」
笑顔で、今日はまだ楽なんだと。
でも、入退院を繰り返し、体力も限界になり、この市場もここで終わりなのかな…という時、
「西山さん、やってくれないかな。」
彼が帰ってくるまでの間だけとお約束しました。
当時ユナがまだ小さくてお母さんべったりで、子育てサロンの代表もやっていて、とてもお力になれる立場ではなかったけれど…でも、この市場が続いていてほしい。たとえ今と形が変わってしまっても続いてほしい。そんな思いで引き受けました。
そんな彼が帰らない人となったと昨日聞きました。
昨日からずっと彼のことを思ってます。人の良い彼の奥さんのことを考えてます。
ゆながいつもお店でヤクルトをもらってました。冷蔵庫の位置まで覚えていたゆなに笑顔で「いいよいいよ」と手渡してくれました。
「今英語勉強しててね、奥さんとヨーロッパ旅行へいくんだ」
優しい旦那さんでした。
どんな時でも、私たちの意見に耳を傾けてくれました。
「やってみよう」
と賛成してくれました。
失敗したって、責めたり、怒ったり、なじったり、責任をおしつけたりしない人でした。
どんなに窮地に立っていても、決して弱音を言わない、自分のやろうと希望をもったことを貫く強さがありました。彼こそ市場のリーダーでした。
「早く帰ってきてください。出店してください。」
そんな言葉のなげかけに「無理かもしれない。もう、おまかせしたい。」
という細い声を聞いたときは悲しかった。でも、病気の時は誰だってそうなるんだと回復を願ってました。
今はただ、彼を思い出して、悲しい。もっと会いにいけばよかった。
もっとたくさん楽しい話をすればよかった。
もっと何かができたはずだ。
なんだかおいてきぼりされたように、ぽっかり穴があいてしまいました。
彼の好きだったジョンレノンのイマジンの音と市場で彼が着ていたグリーンのポロシャツ、紺色の帽子を何度も思い出します。
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by n0803acho
| 2012-09-27 11:17
| おのみち満点朝市